「―――ん……?」
「ああ、起きたの?」
「あ……すまん、アラウディ。酔って寝てしまった……悪かったな」
「別に。僕はこのままでも良かったんだけどね」
「そういう訳にもいかんだ、ろ……くしゅっ!」
「大丈夫かい?」
「うう……もう夕方か。通りで冷えると思――――ああっ!?」
「何?急に大声出して」
「あ、アラウディっ!桜が、桜が全部散ってるッ!!」
「見れば分かるよ」
「さっきまで満開だったのに、どうして急に……?」
「さあね。―――失恋でもしたんじゃない?」
「は?」
「それより、酔いが醒めたんなら飲み直すよ。お酒、まだあるんでしょ?」
「あ、ああ。それはあるが………アラウディ」
「何?」
「お前、桜に何かしたのか?」
「僕が?何で?」
「いや、お前が酔っ払って木の幹でも殴りつけたのかと。それで花がドサッと……」
「君の頭を膝に乗せたままでかい?」
「うっ、違うか……。でもお前、何かやったんだろう?」
「………冷えてきた。僕は先に中に入るよ」
「待てっアラウディ!質問に答えろ!逃げるなっ!!」
夕暮れの光の中、枝に残った最後のひとひらが、薄紅の絨毯に吸い込まれていった。
<了>
◎あとがき
このお話は、某サイトさんの「花見をするアラジョ」のイラストを見て、滾って書いた小話が元になっています。
以下、設定を箇条書きで↓
・ジョットと守護者6人は、全員で日本に隠居してます。
・アラウディはジョットに絶賛片思い中です。
・ジョットはアラウディも含め、守護者全員を「親友」だと思ってます。
・この話におけるジョットの性格は、『優しくて穏やかで、大人過ぎない大人(ちょっと子供っぽい部分がある)』。そして『酔狂』です。
桜の木は最初、失恋して枯れてしまう予定だったのですが、それだとあんまり可哀想なので「花が全部散るだけ」に変更しました。
桜を無下に出来ない辺りが、私も立派な日本人ですね(笑)。
あの桜はきっと、来年も見事な花を咲かせるのでしょう。
今度は一人の為でなく、二人の為に。
ここまで長々とお付き合い頂き、ありがとう御座いました。
お粗末様です。
毛糸・拝
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